私の祖母がゴミを捨てられない人でした。いや、祖母の感覚的にはゴミではないから捨てられないのですよね。けれども大多数の人にとっては、「何年も使っていないならゴミでしょ」という感覚でしょう。と、いうよりも、使わないもので部屋が埋め尽くされているのですから、生活するのにも不便でしょう。ですからサーッと捨てたら良いのにーっとはずっと思っていましたし、実際に指摘していましたね。
けれども祖母が言うところには、「着物だって毎年着るわけじゃないけど、捨てないでしょ」「ずっと使っていないからってゴミではないでしょ。財産よ」ということだそうで。まあ屁理屈だと思いつつも、老後の人生ぐらい好きに生きたら良いと思っていましたので、時々「物、多過ぎ」ということは指摘するものの祖母の好きにしてもらっていました。
そして、元気だった祖母が突然亡くなり、後に残された大量の物を業者があっという間に片付けてくれて、その後の部屋はなんだか感慨深いものがありましたね。粗大ゴミから細かい物まですべてがなくなり、むちゃくちゃ広く感じましたし。そして、清掃業者の働きっぷりも驚くものがありました。お金を取るだけのことはありました。